ヒートマップツールは、コンバージョン率の改善に欠かせないツールです。
Googleアナリティクスではわからない詳細なデータを取得することで、ユーザーの反応を可視化することができます。
ただ、いろんな機能がありすぎて、何が必要なのか?どう扱えばいいか、わかりにくいですよね。
こちらの記事では、ヒートマップツールの機能や活用方法、各社サービスの機能や料金について比較しました。
また、ワードプレスで使えるおすすめの無料ヒートマップもご紹介します。
ヒートマップってどんなことができるのか?本当に必要なのか?といった悩みを、全て解決できます。
2021年9月追記
マイクロソフトから無料で使える、かつ万能なヒートマップ(Clarity)がリリースされました。
本記事では様々なヒートマップをご紹介していますが、最初に導入するならClarityがおすすめです。
ヒートマップ導入前に注意すること
ヒートマップは高度な解析ツールなので、やや上級者向けです。
導入前する前に
- アクセスが十分にあるか?
- 分析に回せるリソース、スキルはあるか?
十分検討してみてください。
アクセスの少ないサイトはヒートマップ不要
ヒートマップは、アクセスのないページに設置しても、新しい発見があるほどのデータがそもそも集まりません。
具体的にどれくらいのアクセスが必要か何とも決めにくいのですが、
「1日30PVしかない・・・」
といった状態では、まずはアクセスを増やすことに注力すべきかと思います。
分析するリソースや、スキルが十分にあるか?
ヒートマップは無料のものもありますが、高度な機能を使えるようにするには、有料のヒートマップを導入する必要があります。
このときに注意したいのが、
「その機能、使いこなせる??」
ということ。
ヒートマップを導入すると、ユーザーの反応が可視化されるため、効果的な施策が打ちやすくなります。
しかし、Googleアナリティクスやサーチコンソールすらまともに使えていない状態で導入しても、宝の持ち腐れになってしまう可能性が高いです。(実際にそうしたケースもよく聞きます)
きちんとPDCAが回せていて、「さらに踏み込んだ分析がしたい!」という方には必要かと思いますが、
毎月のコストがかかりますので、今の現状をまずは整理してみても良いかと思います。
ヒートマップの主な6つの機能
ヒートマップは、簡単に言うと「画面の奥にいるユーザーの解像度を上げる」ためのツールです。
各社で搭載しているヒートマップの主な機能には
- クリックヒートマップ
- スクロールマップ
- アテンションマップ
- 画面録画(セッションリプレイ)
- ABテスト
- 入力フォーム分析(EFO)
の6つの機能が主にあります。
ヒートマップ・クリックマップ
画像引用:Aurora Heatmap – WordPress プラグイン | WordPress.org 日本語
機能 | どこがクリックされているかわかる | ||
---|---|---|---|
活用方法 | クリックされやすい表現(画像、テキスト、色や内容や大きさ)などを特徴が掴める |
スクロールマップ
機能 | ユーザーが離脱している箇所がわかる | ||
---|---|---|---|
活用方法 | 離脱されやすい箇所を改善することで、見て欲しい箇所までの到達率を高める |
アテンションマップ
機能 | ユーザーの閲覧時間からどこを時間をかけて読んだのかわかる | ||
---|---|---|---|
活用方法 | 注目されるコンテンツ、されないコンテンツがわかるので、ユーザーの興味のあるコンテンツを知ることができる |
画面録画(セッションリプレイ)
画像引用:セッションリプレイ | SiTestMouseflow(マウスフロー)【日本公式サポート】| ヒートマップ・EFO・セッションリプレイ機能搭載
機能 | ユーザーのマウス・スクロールの動きを録画する | ||
---|---|---|---|
活用方法 | ユーザーがサイト内をどのように回遊しているのか? 読むスピード感や、重点的に読んでいる箇所など、ユーザーの反応をより鮮明に掴むことができる |
ABテスト
画像:Macrovector - jp.freepik.com によって作成された business ベクトル
機能 | AパターンとBパターンの両方でデータをとる (前後のデータ比較が、ツール上で集計される) |
||
---|---|---|---|
活用方法 | どちらのパターンが反応が良いか比較して、良い方を採用する (反応が良い理由を言語化してノウハウを蓄積する) |
入力フォーム分析(EFO)
機能 | 決済情報入力などのフォームで、どこで離脱したかわかる | ||
---|---|---|---|
活用方法 | 離脱箇所のフォーム入力を改善して、コンバージョン率を高める |
ヒートマップツールの価格設定・プランの選び方
ヒートマップ各社では、月額料金を「解析可能なアクセス数」で決めています。
ミエルカ(MIERUCA)ヒートマップの例
プラン | 料金 | 集計可能PV数 |
無料 | 0円 | 10000PV / 月 |
ミニマム | 9,800円 | 50000PV / 月 |
ビジネス | 19,800円 | 100000PV / 月 |
このように、アクセスが増えるほど金額も上がります。
このとき
「ウチのサイト60000PVなんだけど、この場合はビジネスプランにしないといけないの?」
というと、そうでもありません。
50000PVのプランでも、50000PVまではデータが集計されますが、
それ以上のアクセスがあった場合集計が止まるだけです。
データ集計は毎月リセットされるので、オーバーしてしまっても1ヶ月待てばデータ集計が再開されます。
キャンペーンの予定や月の後半に注文が殺到するジャンルなど、サイトによって状況は様々ですので、それぞれどのようなプランで契約すべきか検討してみてください。
「通年アクセスが一定だし、しかも月に1回くらいしかまともに分析しない」
という方は、アクセス全体の2割程度をデータ量でも、十分正確な分析ができると思います。
ヒートマップ各社の金額や特徴
ヒートマップ各社の詳細をまとめました。
なお、
- 日本語対応していない(英語のみ)サービス
- アプリで使うヒートマップ
は、対象から除外しています。
- VWO (https://vwo.com/)
- heatmap (https://heatmap.com/)
- Gemius HeatMap (https://heatmap.gemius.com/en/)
- MockingFish (https://www.mockingfish.com/)
- Clicktale (https://contentsquare.gaprise.jp/)
- crazyegg (https://www.crazyegg.com/)
アプリ専用
- UXCam (https://uxcam.com/)
また、Googleアナリティクス・サーチコンソールと同等の機能については、本家のツールを使えば良いという理由からあえて記載していません。
SiTest(サイテスト)
個人的に、一番使い勝手がよく、おすすめできるヒートマップです。
本家「SiTest」と、ライト版の「SiTest Lite」に分かれています。
SiTest Lite(ライト版・個人事業主向け)
機能 |
|
---|
Economy | ¥8,500 | 20,000PV / 月 |
---|---|---|
Business | ¥20,000 | 50,000PV / 月 |
First | ¥30,000 | 100,000PV / 月 |
管理画面が使いやすく、サポート体制もとても親切でした。
中でも驚いたのは、画面録画機能!
ユーザーのマウスの動き、スクロールの速さなどが丸わかりで、ユーザーの解像度が一気に上がりました。
「あー、これは興味ないからすっ飛ばしてるなー汗」
というのが丸わかりになります。
これは一度体験してみてほしいなと思います。
\無料トライアルあり/
SiTest(企業・大規模サイト向け)
機能 |
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導入実績 |
|
料金 | 詳細は問い合わせ 初期費用:なし 最低導入期間:3ヶ月 無料トライアルあり |
料金はサイトの規模や、追加するサービスによって変動しますが、なかなかいい値段がしました。
(もちろん、Liteより高いです。)
本格的に分析を活用して、改善を繰り返していけるチームであればおすすめできますが、最初はLite版からスタートでいいかもしれません。
出力できる解析レポートは、かなり見やすいのでクライアント様に提出すると喜ばれると思います。
また、私はあまり活用できなかったのですが、AIを導入した見込み客判別機能もついています。
AIを使った分析は今後必ず主流になっていくと予想していますので、数年先を見越して考えると、先行して取り入れている企業のサービスを選んでおきたいですね。
\無料トライアルあり/
Mouseflow(マウスフロー)
機能 |
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導入実績 |
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スタータープラン Starter |
¥3,030/月 | 5,000 セッション/月 |
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グロースプラン Growth |
¥10,343/月 | 15,000 セッション/月 |
ビジネスプラン Business |
¥20,791/月 | 50,000 セッション/月 |
プロプラン Pro |
¥41,686/月 | 150,000 セッション/月 |
(※2020/12/10 現在 為替レートによって変動します。価格・料金詳細はこちら)
マウスフローは、デンマーク発のヒートマップツールです。
海外での導入実績が高く、日本でも大規模Weddingサイト「プラコレウェディング」で採用されています。
参考:Yahoo!ニュースに掲載されました。
海外ツールで日本語対応しているのはめずらしく、活用方法を記載したブログもかなりの記事数があります。
BLOG | Mouseflow(マウスフロー)【公式サポート】
私はまだ本契約はしたことがないので、サポート体制については何とも言えません。
しかし、ヒートマップに必要な機能は十分備わっており、導入コストは業界内でもかなり安い方です。
コストで選ぶなら、おすすめできるヒートマップツールです。
\無料トライアルあり/
Ptengine(ピーティエンジン)
機能 |
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導入実績 |
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FREE | 無料 | 3,000PV 1ページのみ |
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Economy | ¥14,800/月 | 30,000PV |
Business | ¥29,800/月 | 90,000PV |
First | ¥49,800/月 | 180,000PV |
上述したマウスフローとSitestを紹介した後だと、取り立てて特徴が見当たらない・・・
サイト紹介ページには
- 入り口ページ分析
- ファネル分析
- 流入元分析
ができます!って書かれていますが、
それはアナリティクスの分析画面で出せるのとどう違うの?
というのが率直な感想です。
でも、余計なツールが入っていないぶん、
- 動作がサクサク軽い
- シンプルで使いやすい
というのは、複雑になりがちな分析ツールでは大事なポイント。
無料で使えるプランもありますし、まずはヒートマップってどんなもの?って試してみたい方にはイチオシです。
\無料プランあり/
User Insight(ユーザーインサイト)
機能 |
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導入実績 |
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User Heat | 無料 | 不明 |
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50万PV | ¥50,000/月 | 50万PV |
400万PV | ¥100,000/月 | 400万PV |
400万PV超 | 個別見積 | 400万PV超 |
無料トライアルできるUser Heatがありますが、解析結果のページが途中で切れてしまうので、短いページしか活用できません。
PVあたりの単価で言えば、業界最安値。
運営元のユーザーローカルは、AIやビッグデータにかなり力を入れている企業です。
サイトに訪れた人の位置情報や、ネット利用度などのユーザーデータを推計するシステムを持っているので、独自の強みがあります。
発表している数値によると、年齢では87%、性別で82%と、そこそこの正確性が出ています。
\無料プランあり/
ミエルカ(MIERUCA)ヒートマップ
機能 |
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導入実績 |
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無料プラン | 無料 | 10000PV |
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ビジネス | ¥9,800/月 | 50,000PV |
ファースト | ¥19,800/月 | 100,000PV |
ファースト | ¥49,800/月 | 100,000PV |
SEOの領域の第一人者の鈴木健一氏(@suzukik)が、
ミエルカヒートマップを運営する株式会社FaberCompanyの取締役として入っています。
個人的に、これを知った時は「あの鈴木ケンイチさんが!?」という衝撃が走りました。
無料版だけのヒートマップは使ってみたことがあるのですが、さすがに機能が制限されまくってて、正直使いにくかったです。有料版だと、もっと使い勝手が良いのかも・・・。
あと、有料版で使える自動キャプチャ機能はすごく便利。
デザインを変更した瞬間、過去マップを今のデザインに載せても意味がないので、正しい分析をする上で重宝しそうです。
\無料プランあり/