Looker Studio(旧データポータル)でサーチコンソールと連携しようとすると、「サイトのインプレッション」と「URLのインプレッション」のどちらかを選ぶ場面が出てきます。
分析したい内容によりますが、結論から言うと、
- キーワードの検索需要(表示回数)を正確に把握したい →「サイトのインプレッション」
- 「どの記事が伸びているか?テコ入れすべきか?」など、記事単位の分析がしたい場合 →「URLのインプレッション」
を選んだ方が良いでしょう。
この記事では、「サイトのインプレッション」と「URLのインプレッション」のデータのカウント方法、データの算出方法の違いや、分析内容による使い分けについて解説します。
分析内容によりますが、ほとんどの場合は「URLのインプレッション」を選べばOKです
目次
2つの計測方法でデータの違いが出るケース
まず大前提として、2つの計測方法で計測データに違いが出るのは「検索結果に同じドメインがインデックスされている場合」のみです。
具体的には、以下のような状況です。
「Amazon ベット」で検索すると、検索結果にAmazon.co.jpのサイトがずらっと並びます。
(基本的に検索結果は多様性を持たせているため、同じドメインが2個以上表示されることは稀です。)
もしくは、以下のように見出しの内容が検索結果に拾われている場合も、計測結果に違いが出ます。
このような検索結果の場合のみ、「サイトのインプレッション」と「URLのインプレッション」の計測結果に違いが出ます。
「サイトのインプレッション」と「URLのインプレッション」の違い
「サイトのインプレッション」と「URLのインプレッション」は、「サイト単位」で見るか、「URL単位」で見るかという違いがあります。
具体的には、以下の画像のようなイメージです。
表示回数のカウントと平均検索順位の計算方法の違い
「Amazon ベット」で検索した場合を例に説明します。
「Amazon ベット」で検索した結果、
1位:Amazon.co.jp
2位:Amazon.co.jp/bed
3位:Amazon.co.jp/bed-frame
という結果だったとします。
全てAmazonのページですが、URLはそれぞれ違います。
表示回数のカウント方法
この場合の表示回数のカウント方法ですが、以下のようになります。
- 「サイトのインプレッション」:表示回数=1(3つのURLをまとめて1つとしてカウントするため)
- 「URLのインプレッション」:表示回数=3(3つのURLをそれぞれ別のページとしてカウントするため)
平均検索順位の算出方法
また、平均検索順位の算出方法も以下のようになります。
- 「サイトのインプレッション」:1位(表示されたページの最上位の順位を採用するため)
- 「URLのインプレッション」:2位 = (1位+2位+3位)/3(3つのURLをそれぞれの順位を平均する)
クリック数のカウントとCTRの計算方法の違い
先ほどと同様、「Amazon ベット」で検索した結果、
1位:Amazon.co.jp
2位:Amazon.co.jp/bed
3位:Amazon.co.jp/bed-frame
という結果だったとします。
クリック数のカウント方法
クリック数は以下のようになります。
- 「サイトのインプレッション」:1クリック
- 「URLのインプレッション」:1クリック
「サイトのインプレッション」の場合も「URLのインプレッション」の場合も、クリック数は1クリックとカウントされます。
平均CTRの算出方法
- 「サイトのインプレッション」:100%(常に1/1)
- 「URLのインプレッション」:33%(常に1/3)
「サイトのインプレッション」の場合、3つのURL全てで1サイトとみなすので、表示回数が1回となります。
そのため、どのURLをクリックしてもCTRは1/1=100%となります。
「URLのインプレッション」の場合は3つのURLはそれぞれ別とみなすため表示回数は3となり、どのURLをクリックしてもCTRは1/3=33%となります。
「URLのインプレッション」を選ぶと、平均検索順位とCTRは「サイトのインプレッション」より低く算出されます
参考:プロパティごとの集計とページごとの集計|Search Console ヘルプ
データフィールド(ディメンションと指標)の違い
「サイトのインプレッション」と「URLのインプレッション」は、それぞれのカウント方法の違いがありますが、Looker Studioでのデータフィールド(ディメンションと指標)にも違いがあります。
具体的には、以下の表のようになります。
データ内容 | サイトの インプレッション |
URLの インプレッション |
|
---|---|---|---|
ディメンション | 日付 | Date | Date |
デバイス | Device Category | Device Category | |
国 | Country | Country | |
検索タイプ | Google Property | Google Property | |
クエリ | Query | Query | |
ページ | なし | Landing Page | |
指標 | クリック数 | Clicks | URL Clicks |
表示回数 | Impressions | Impressions | |
CTR | Site CTR | URL CTR | |
平均掲載順位 | Average Position | Average Position |
サイトのインプレッションはLanding Pageが利用できない
サイトのインプレッションでは、検索結果に3つURLがインデックスされていても1サイトとしてカウントします。
そのため、ページごとのクリック数をカウントしておらず、Landing Pageが利用できません。
URLのインプレッションでは平均検索順位が利用できる
こちらは、以前はURLのインプレッションでは平均検索順位(Average Position)のデータフィールドは使えなかったようですが、現在は利用できるようになっています。
「サイトのインプレッション」と「URLのインプレッション」の使い分け
サイトのインプレッションを使う場合
「サイトのインプレッション」を利用するメリットは、検索クエリごとの表示回数が正確に把握できることです。
サイトのインプレッションを選べば、表示された(=検索された)回数ぶんカウントされます。
しかし、URLのインプレッションを選んだ上で検索クエリでの表示回数を見た場合、インデックスされているURLぶん表示回数が増えてしまいます。
検索需要を正確に把握したい場合は、サイトのインプレッションを選んだ方が良いでしょう。
(とはいえ、誤差はあるようです。)
URLのインプレッションを使う場合
SEOでの集客は、基本的に記事単位で対策する場合が多いと思います。
どの記事がどれくらい検索結果で表示され、どれくらいクリックされているかを把握することは、記事のリライトをする際にとても重要な指標となります。
「サイトのインプレッション」では、Landing Pageのディメンションを使うことができないので記事単位の分析ができません。
しかし、「URLのインプレッション」を選べば、記事単位の分析ができます。
「どの記事が伸びているか?」や「どの記事をテコ入れすべきか?」など、記事単位の分析がしたい場合は、「URLのインプレッション」を選んだ方が良いでしょう。
着目したいデータによって使い分けてください。